Ⅲ銀の章

【あらすじ】

崩壊したウルズ王国に新たな時代がやって来た。

自身の出生の秘密を知ったリュシエラは、そのどうしようもなく絡みつく運命になんとしても抗い、だれに決められたものでもない道を見出そうともがいていた。

一方、本名を捨てベルナールの「妻」となった瑠璃姫は、未だ定まらない自身の心と向き合いながら、これからの王国のあるべき姿を模索する。

そんな彼女たちを襲う事件。

それもまた、大いなる歴史の流れが生んだ新たな奔流だった。

引き裂かれた想いとそれでもなお踏み出す足は、一体どこを目指すのか。

死者の幻影と見えぬ未来を胸に抱いて、「自分自身」を探す旅が、はじまる――